うま味調味料の代表として有名な「 味の素 」
日本で広く使われている商品ですが、人工的に作られていたり化学調味料と呼ばれることもあり
海外でもさまざまな憶測やデマが広がっているようです。
アメリカで「味の素」は本当に禁止されているの?
そのような疑問や理由について、詳しく調査していきたいと思います。
この記事で解決できること!
- 味の素はアメリカで禁止されている?
- 味の素が禁止はデマ?
- 味の素の使用禁止やデマの理由について
では順番にみていきましょう。
味の素がアメリカで禁止はデマ
アメリカで「 味の素 」が禁止されているというウワサは、デマです!
アメリカのAmazonでも購入することができますし、日本食を取り扱うスーパーでも買うことができます。
なぜ、アメリカでは禁止されているというウワサが、広まったのでしょうか?
ウワサが広まった理由について、みていきましょう。
味の素がアメリカで禁止のデマが広がった理由
- 味の素が化学調味料と呼ばれるから
- 中華料理店症候群事件が起きたから
順番にみていきたいと思います。
化学調味料
味の素は、化学調味料と呼ばれることがあります。
アメリカではMSGと呼ばれていますが、「 味の素 」は世界で初めて日本で販売された商品でした。
当時、日本のテレビで紹介する際に「 味の素 」という商品名が使えないため、別の言い方として「 化学調味料 」という表現が使われました。
「化学調味料」は、公共放送上の便宜を図った名称
うま味調味料や「味の素®」や「うま味だし・ハイミー®」は、ときどき「化学調味料」と呼ばれることがあります。これは昭和30年代にNHKの料理番組で、公共放送の立場上「味の素®」と製品名で呼べないため、一般名称として「化学調味料」が使われていた名残りです。昭和60年代以降は「うま味調味料」と呼ばれています。
現在では、行政の統計資料などで使用する用語の基本となる日本標準産業分類、日本標準商品分類などにおいても「うま味調味料」の名称に統一されています。(味の素公式サイト)
現在は、うま味調味料へと名称変更されたようです。
言葉のイメージは大きいですよね。
中華料理店症候群事件
チャイニーズレストラン・シンドローム、グルタミン酸ナトリウム症候群と別名では呼ばれています。
1960年代頃に中華料理を食べた一部のアメリカ人が、頭痛や胸痛、体の痺れなど不調を訴えたことがきっかけでした。
アメリカの中華料理店では、MSG(味の素)がよく使われていることから、関連性が疑われたようです。
グルタミン酸ナトリウムを注入したマウスの実験で、マウスに脳障害がみられたという研究がある一方で、グルタミン酸ナトリウムと中華料理店症候群の関連性はないという研究結果も出ています。
1970年代以降は、中華料理店症候群の報告はみられなくなったようです。
味の素と中華料理店症候群の関連性は、ほぼないと言われているようですが、そのような懸念が出てきてしまった以上は味の素に対する印象はよくないようです。
以上2つの理由から、アメリカでは味の素が禁止されているというデマにつながったようですね。
味の素はアメリカでMSGと言われている
グルタミン酸ナトリウムを英語では、MonoSodiamGiutamateと言います。
この文字をとって、MSGと略称で呼ばれます。
グルタミン酸ナトリウムで有名な食品添加物は「 味の素 」です。
MSGとはどのような成分で、安全性はどうなのでしょうか?
アメリカの製品で目にすることがある、「 NO MSG 」の表記についてもみていきたいと思います。
MSGとは
MSGは、グルタミン酸ナトリウムの略称です。
グルタミン酸ナトリウムの食品添加物として有名な「 味の素 」の原料や、製造工程はどうなっているのでしょう?
- 原料は、サトウキビやとうもろこし、キャッサバという芋
- 味噌や醤油のように発酵させて作られる
主な原料は、天然のサトウキビです。
そのサトウキビを絞って、発酵させ、粉状にしたら完成。
味噌や醤油と同じように、発酵して作られているものなのです!
粉状の白い粉末という見た目から、化学調味料という名称がつけられてしまったことでよくないイメージが定着してしまったのですね。
MSGの安全性についてはどうでしょうか?
MSGの安全性
グルタミン酸ナトリウムは、世界的に安全が証明されている食品添加物です。
日本ではもちろん、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパそれぞれの食品機関が「 味の素 」は安全だと評価しています。
- 1958年 アメリカのFDA(食品医薬品局)が安全と認められる物質として認定
- 1960年 日本の厚生労働省に安全と認定される
- 1987年 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品添加物専門家会議で、「MSGは人の健康を害することはない」と認定
- 1991年 欧州連合(EU)の食品科学委員会が安全性を評価、認定
- 2003年 オーストラリアとニュージーランドの食品基準庁が安全だと認定
世界の安全評価をしっかりともらっている商品なので、MSGは安全だと言えますね。
安全評価を得ている商品でも、アメリカでは「 NO MSG 」と書かれている商品を目にすることがあります。
「 NO MSG 」とは何でしょうか?
NO MSGとは
「 NO MSG 」は、MSG(グルタミン酸ナトリウム)が入っていないということを意味します。
中華料理店症候群の発表があってから、アメリカ人のMSGに対する偏見は解消されないため、NO MSGと表記をつけることで、購入してもらいやすいようにしているようです。
なぜ、アメリカではMSG(味の素)への偏見が消えないのでしょうか?
味の素の安全性がアメリカで疑われている理由
アメリカでMSG(味の素)がよくないというイメージが持たれている理由は、2つあると考えられます。
- 食品添加物に対する不安
- 添加物の過剰使用に対する不安
食品添加物に対する不安
添加物に対しての不安や懸念は、特に強いアメリカ。
農薬や化学肥料に対しても良くないと声をあげる人が多いので、MSGに対しても化学調味料というイメージが植えつけられてしまっていることが多く、食品添加物はNGという人々にとっては敏感な問題となってきます。
MSGが嫌だと思う人々にとっては、分かりやすい表記があるのがいいということですね。
また、もう1つ理由があります。
添加物の過剰使用に対する不安
農薬や化学肥料の使用に対して反対する人が多いのは、アメリカでは添加物が過剰に使用されている場合もあるからです。
例えば、アメリカでも人気のお菓子の1つスキットルズ。
子供に悪影響を与える可能性のある人工着色料が使われていると言われていますが、明確な注意書きなどもなく大袋などで売られています。
過剰に摂取しかねない危険があります。
そのような例からも、添加物に対しての懸念がなくなりません。
以上2つの理由が、アメリカでもMSGの安全性が不安視されている要因です。
アメリカ以外でも味の素が禁止のデマはある?
ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドでも、それぞれの国の食品機関が安全性を評価しているので禁止されているところはありません。
アメリカで禁止されている、というデマがあるということは、ヨーロッパなどの他の国でも禁止されているのでは?と思われている方は多いかもしれません。
味の素がアメリカで禁止はデマ!まとめ
今回は、アメリカで「 味の素 」の禁止はデマ?について調査しました。
- アメリカで味の素は禁止されていない
- 味の素が化学調味料と呼ばれるため不安視されている
- 中華料理店症候群事件で、味の素への不安が全米に広がった
- 中華料理店症候群と味の素の関連性は低いとされている
- 味の素の安全性が世界に評価、認知されている
- 添加物の過剰使用を不安に思う人が多い
- 添加物に不安に思う人へ向けたNO MSG商品がある
味の素の使用制限や使用禁止、輸入禁止などの情報はありませんでした。
イメージや言葉が一人歩きしてしまうのは良くないと思います。
しかし、全てのことが正しいとは言えないのが事実です。
なので、流されてくる情報から判断するのではなく、自分で調べ判断して、大丈夫と納得したものを使うことが、大切ではないかなと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!